
WOWOW放送で録画
監督 深川栄作
上映時間 149分
公開年 2011年1月
殺したのは、心。
ある殺人事件を軸に
薄明を歩き続けた光と影
それを追う者
19年の果てを描いたミステリー

東野さんの有名な作品
ドラマは勿論
舞台化もされているだけに
映画の内容をなるべく追ってみたので
(原作、ドラマを知ってる方は比較の参考になれば)
知りたくない方は注意して下さい。

1980年(原作は1973年)
とある廃ビルで
質屋の店主 桐原洋介が何者かに殺されたが
(この時期 笹垣は亮司と雪穂に会った)
被疑者(西本文代、寺崎忠夫)死亡で立件とされ
その頃 笹垣の息子が病院で亡くなった。
1986年 清華女子学園で
川島江利子に声を掛ける唐沢雪穂の姿があった
江利子は藤村都子からイジメを受けていた。
登校する雪穂を盗み撮りした
男子学生が集まる場所に学生服姿の亮司がいた。
菊池文彦は当時の事件を知っていて
(亮司は菊池が散々苛めたと言ってた)
雪穂に目をつけ清華に向かうが
その夜
藤村都子が何者かにレイプされる。
翌日
警察署で女性の警官から
雪穂と江利子は質問されていた。
何も心当たりがない江利子に対し
雪穂は自分達の写真を撮った人物の
学校と名前を言い
江利子は驚いた顔つきだった。
その近く 雪穂達がいる部署内に
デスクで仕事をしている笹垣の姿があった。
秋吉が警察に呼ばれ
写真は自分ではない先輩達に頼まれた
それ(ソニーのウォークマン)は菊池君です
その都度直立して必死に答えていた。
菊池はその日は
下駄箱に入ってたチケット(本田美奈子)のコンサートに行ってた
自分じゃないと言ったが
現場にウォークマンがあった為
警察に連行される。
雪穂の言葉に藤村の母は感謝を述べ
江利子は雪穂をより尊敬するようになった。
1988年
亮司は売春の斡旋、自らも肉体を売っていた。
客の中に栗原典子が居て
彼女のアパートに住むようになる。
松浦が指名手配(詐欺、恐喝)され
笹垣は桐原弥生子の店を訪れると
当時 松浦の目当ては土地と店舗だった事
亮司については
高校生になった頃 家出したと聞かされた。
店には亮司の切り絵が飾ってあった。
1989年
雪穂と江利子はダンス部に入部。
篠塚一成は江利子を気に入り
付き合うようになる頃
松浦が雪穂の前に少し融通して欲しいと現れた。
江利子の家に荷物が来て(配達員は亮司と思われる)
その日 江利子との約束場所に居た篠塚だが
彼女は現れず
日が替わって
雪穂から江利子の伝言を聞かされた。
江利子はお嬢様だから飽きると消えてしまうの
篠塚は雪穂のキスを受け入れた。
亮司が松浦に会いに行った、その夜
ダクトの夢を見て魘され
典子に子供時代の父と母の事を話す。
母親は従業員と浮気をしていた。
父親も母親に関心は無く
会話もなかったが
切り絵をしていた亮司に
ドイツ製のハサミをくれた事がある
優しい人だったと。
亮司は典子を抱くが
典子は捨てた避妊具を見て
自分ではダメなのだと思った。
笹垣は松浦の手掛かりを知りたく
弥生子の店にいた。
切り絵に見覚えがあり
弥生子がタラの大地でしょ
風と共に去りぬ
笹垣はあの少女を思し出した。
当時の児童館の記録によると
桐原亮司と西本雪穂は知り合っていた。
被害者の息子と加害者の娘。
笹垣が児童館の人に二人の事を聞くと
古い人形を新しく替えてくれる女性の話になり
※その辺りで雪穂らしき女性の通り過ぎる
後姿が窓に映っていた。
笹垣は唐沢礼子に会い
雪穂を引き取った経緯を聞いた。
母親が死ぬ前
雪穂は礼子を訪ね
自分に何かあれば助けて欲しい
そして
文代の葬式の日
雪穂の捨てられた犬のような目
あなたは私を見殺しにするの
文代は今でも瞼に焼きついてると。
豪雨の日
喫茶店の電話で
笹垣は崩れた土砂から発見された白骨死体が
松浦と聞いてメモを取っていた。
その時 透明な電話ボックスの向こう(笹垣は背を向けてる)に
背を向けて座ってた亮司が立ち上がり
会計を済ませ
ボックスから出た笹垣とぶつかり(亮司)
笹垣は自分の席に着くが
コーヒーカップの取っ手の向きの違いに気づき
マスターに自分以外の誰かがいたか?と確認した。
笹垣のコーヒーには致死量の青酸カリが入っていた。
典子が帰宅し青酸カリの量を調べる頃
そのニュースが流れ
一人典子は料理を前にワインを飲むと
すぐに吐き出し
顔を苦痛に歪め椅子から転げ落ちながら呻き
間もなく息絶えた。
笹垣は典子の部屋を検証し
青酸カリと一緒に切り絵を見つけた。
典子のアパート周辺には野次馬が集まり
その中に亮司の姿があった。
雪穂は篠塚に妊娠したかもと告げ
結婚が決まった。
亮司は見守るような哀しい目で
ある場所を見つめていた。
とあるブティックには
※雪穂と篠塚らしき人物が居た
1998年
今枝探偵事務所の封筒を持った男が公園で毒死
雪穂は篠塚義明と共に
新しいビルの契約書にサインをする。
一成ではなく
雪穂が篠塚の仕事を担っていた。
その頃
笹垣は刑事を退職。
そして
篠塚一成の妹・美佳は雪穂を嫌っていた。
一成に不満を訴えていた事を
雪穂は知り
自分が守ると一成に答えた
すぐ後
雪穂は仕事場と思われる場所で
人間のネックレスを製作していた。
ある日
美佳は何者かにレイプされ
気がつくと雪穂がいた。
その頃
笹垣は児童館にある
あの人形を振ったりして念入りに観察していた。
一成は美佳の身に何かあったと思うものの
何も知らされずいつも一人だった。
笹垣はまた桐原弥生子の店にいて疑問を呟いていた。
弥生子が浮気をしたのは
西本文代を選んだ亭主へのあてつけだろう
文代に負けたなど見当違いよな顔の弥生子は
暫し間を起き
あの人はね大人の女が怖いのよ。
松浦が旦那様は西本文代に会ってるのではない
その娘に会いに行ってるのだと
笹垣は言葉を失った。
(やっと謎が解けたな瞬間でもあった)
美佳の事件があったその夜
雪穂は美佳の部屋に行き
裸になり(背中だけ見せた)
美佳の上にまたがって腕を押さえ
夢を見るのが怖いのでしょ。
自分より襲った男の方がマシなの?
自分を思い出せと慰めていた。
その頃
笹垣は妻と二人で児童館に
あった人形をバラしていた。
笹垣の妻がネックレスに気づき
それが
シノツ ゛カミカ
モールス信号だった。
そして
笹垣は篠塚一成を訪ねた。
一成は雪穂が人間の仮面を被った獣と思う事がある
周辺で陵辱事件が何件か起き
探偵を雇ったが毒死したと。
笹垣はあの時の雪穂と亮司を語る
雪穂は何人もの客を取らされ
(雪穂を愛好する的な寺崎忠夫のキモイ笑みと
その時間 公園で待ってた文代のシーンがあった)
亮司は母親と松浦の事で苦しみ
そんな二人が児童館で知り合い
仲良くなっていった。
(ここからダクトまで子役のシーン)
ある日
亮司は父親が児童館から
雪穂を連れて行くのを見て気になって後をつけた。
父親は雪穂を連れあの廃ビルに入って行き
亮司はダクトから中に入った。
自分の父親が雪穂にする行為を見た亮司は
持ってたハサミで父親の背中を刺し
まず雪穂を外に逃がし
一人でドアを防ぎ
まだ生きのある父親のズボンのチャックを閉め
ベルトを締め直し
ダクトから逃げた。
殺人はいけない事と思いつつも
父親から貰ったハサミで父親を刺した
亮司の気持ちを思うと胸が痛く
涙が止まらず
自分の醜態を見られ
我が子に刺された父親の胸中は
いかばかりだったのか。
このシーンでの子役 今井悠貴君の演技が絶妙でした!そして
現代の雪穂と美佳のシーンになり
雪穂が自分には太陽に代わるものがあったと。
そこに太陽光を受け反射した鏡の光が
雪穂達のいる部屋に入り込み
ブティックに笹垣が入店したと同時ぐらいに
亮司の声で
おにがきた
篠塚も一緒に笹垣は雪穂に会うと
雪穂は笹垣を懐かしんだが
忙しいのでまたの機会にで
笹垣の亮司を救ってくれないかには無視。
その後
篠塚は一人で帰宅
夜になって
笹垣は近くのビルにハッとして
階段を駆け上がると
向こうのビルに亮司を発見。
笹垣は亮司に
お前の事だったら何だって調べた
あの部屋でお前と会った時から
ずっと気になっていた
これから罰を受けなければいけないが
俺に父親代わりをさせて欲しい
自分が沢山話を聞いてやる
最後の時が来るまで俺を側にいさせてくれと
思いに溢れた説得をするが
亮司は頷きながらも
全部俺がやった事だ
そう言って飛び降りた
違うぞ!と泣き叫びながら
その場に崩れて行く笹垣
回想シーンになり
切り絵を褒められてる笑顔の亮司の後
そのハサミと血の付いた手を叫びながら洗い
文代に薬を入れて仕掛けた時
雪穂との別れで
世界で俺達にしかわからない秘密と鏡を照らし
大人になった亮司がネックレスを触り
それを作ってた雪穂
江利子の家に宅配便を装って入った時
松浦殺害など
(抜け落ちあるかも)
雪穂のウエディング姿を
涙して笑みする亮司に
雪穂は笑顔で応えていた。
そして
再び 亮司と笹垣のシーン
血だらけでまだ息のある亮司を
笹垣は抱き起こし
人だかりの中にいた雪穂を見て
この男が誰だかわかりますか
私は知らない
雪穂はそう言って立ち去り
どこか虚ろな目だったが
三枝を見て笑顔に変わり
ブティックに入っていた。
シーンは変わり
子供の頃の亮司が鏡で遊ぼと送り
雪穂が笑顔で応え
枯れ草の中
二人は楽しく過ごしていた。
以上

ちかれた~。。

にしても
個人的にはドラマの印象が強かったけど
映画は端折られてる部分は多々あるもも
(結構唐突なシーンがあるのですよね)
二人が交わらない点や
原作の世界観みたいな雰囲気は良く出ていたと思う。
ただ これは
原作の内容をある程度わかった上での事で
全く知らないと
話がわかり難い気がします。
やっぱりねぇ
比較しちゃダメと思っても
ドラマのシーンや心情が浮かんでしまい
このシーンはこうだからこう、みたいな(^^;ゞ
(例えば ドラマ版は
子供時代の亮司は雪穂を好き
雪穂にとって亮司は窮地から救ってくれた人
そこを明確にしたので
それぞれの犯してる事に観る側は疑問を持たない)
原作を読んでいれば尚更
映画で欠けてる部分を
瞬時に補ってしまうと思うのですよ。
で、悠貴君のシーンを見て改めて思ったのが
亮司はやっぱり尽くすタイプなんだな~って
(雪穂のカバンを持ってあげてた)
この辺りも狙っていたとすれば
他にも言えるけど
結構細部に亘り拘って作ったと思う。
雪穂については
亮司に愛情を抱いてるというより
何でも言う事を聞いてくれる身内に近いような、、
同士のような。
子供の頃 一番に守られてるはずの母に裏切られ
大人に辱められた事で
人にもそれで仕返しをする。
人を真に愛する事はないでしょうね。
(原作と違うらしいけど
ドラマ 幻夜の美冬が浮かんだ)
そして
先の朝ドラ「おひさま」とは
全く違うキャラを演じた高良健吾君
亮司の子供時代を演じた今井悠貴君
この二人が良かった!
悠貴君については赤字で書いたけど
高良君は
ただ感情が無いとか冷たいじゃなく
ちゃんと生身の人間を感じるものが
伝わってくる。
だからとても切なくて痛くて
こっちも苦しかった

堀北真希ちゃんは、、
普段は上手な方に思うけど
この役に関しては響いて来るものがなかった。。
雪穂という女性を演じるのは
やはり難しいのだろうな~って。
船越さんの笹垣は悪くなかったけど
ドラマの方が長かったせいか
武田鉄矢さんの笹垣の鋭い目が
焼き付いてしまい
選べと言われれば、、武田さんかな。
そのドラマ版についてなら
泉澤祐希君も良かったけど
特筆すべきは
山田孝之君と福田麻由子ちゃん

この二人無くして
あそこまで夢中で見入ったかどうか、、
そして柴崎コウさんの「影」
今もこの曲を聴くと
白夜行を思い出します。
それから
はるかちゃんの雪穂は
正直 今となっては麻由子ちゃんほど
残ってないけど
東野さんの描いた雪穂
陶器のような白い肌に美人
肌が綺麗で身長もそれなりにある
グラマーなはるかちゃん。
彼女は雪穂に近い気はしますが。
とまぁ話が逸れましたが
映画は
原作の主要な要素だけ凝縮したというか
(ワタシも原作の内容を所々忘れてるので)
削った部分や変えてる部分もあるので
原作を読む→映画
内面を描いたドラマ版は
こんな解釈もあるで
3つを観れば
白夜行の世界にどっぷり浸れるのでは?
でも
「白夜行」という作品は
観ればみるほど
強烈で忘れられない作品ですね。

映画・スタッフ
監督・・・深川栄作
脚本・・・深川栄作、入江信吾、山本あかり
原作・・・東野圭吾
主題歌・・・珠妃「夜想曲」
キャスト
唐沢雪穂・・・堀北真希
西本雪穂(子供時代)・・・福本史織
桐原亮司・・・高良健吾
桐原亮司(子供時代)・・・今井悠貴
笹垣潤三・・・船越英一郎
桐原弥生子・・・戸田恵子
桐原洋介・・・吉満涼太
松浦勇・・・田中哲司
西本文代・・・山下容莉枝
唐沢礼子・・・中村久美
栗原典子・・・粟田麗
篠塚一成の父・・・篠田三郎
篠塚一成・・・姜暢雄
篠塚美佳・・・小池彩夢
川島江利子・・・緑友利恵
寺崎忠夫・・・宮川一郎太
藤村郁子・・・長谷川愛
菊池文彦・・・川村亮介
古賀久志・・・斎藤歩
三枝会長・・・黒部進
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私はドラマ「白夜行」ファンだから、原作もドラマイメージで読んで、
映画で映像補足したって感じ。
同じく、やっぱり私にとって雪穂は綾瀬はるかちゃんだな…
そして、笹垣も武田さんだな。
亮司は山田くんはもちろん素晴らしかったけど、高良くんの亮司も切なかった。
あの落ちていくシーンは涙涙だった(;_:)
関東では映画の後にドラマの再放送があって、またガッツリ見ちゃった。
ほんと、見れば見るほどハマる作品ですよね~。
また、原作も読みたくなっちゃった。無限ループだわ^^;
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白夜行
監督: 深川栄洋
出演: 堀北真希、高良健吾、船越英一郎、田中哲司、姜暢雄、小池彩夢
公開: 2011年1月29日
劇場鑑賞です。感...